ロンド・ロンド・ロンドの感想を改めて書きたかった件

晴れて大学を卒業しました、なわとびです
社会に出る前にやり残したことないかな〜と考えていたら、映画公開中はネタバレを恐れてあまり詳しく書けてなかったことを思い出したので再チャレンジしてみようと思いました

今回はタイトルにもあるように再生産総集編「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」の感想をまとめていきたいと思います。今はBlu-rayの発売もされて流石に時効だと思うので内容にも触れながら書きたいと思います。
(下記のURLは新作劇場版のものです。URLを開いた後、下部のキリンのアイコンをクリックすることで本作品のページに変わります)

cinema.revuestarlight.com

スタァライトという作品を追っていていつも感じることなのですが、本当に奥が深く自分では気付けないような仕掛けや、いたるところに散りばめられた登場人物の思いなどが無数に存在しています。それらのピースを、誰かと語り合うことで昇華させることで更に素敵な作品として見られるのではないかと思います。これから僕のピースを差し上げるので、これを読んだ方がお持ちのピースもいつか僕にいただけると嬉しいです

 

今作は、再生産総集編ということで、アニメ劇場版にありがちなTVアニメの映像を編集し新規カットを少し追加した映画となっています。
ですので公式からの触れ込みとして、「スタァライトを知らない人も知っている人も楽しめる作品」と言っていたのを覚えています
そしてこれが見終わった直後の僕のツイートです

 

 

完全にしてやられました

これを説明するには読者のみなさんがTVアニメの話を知らないといけませんね
見ていない人がいるかもなので簡単に説明すると、主人公がトップスタァを目指してクラスメイトをオーディションバトル(レヴュー)を繰り広げていくストーリーです

このレヴューで毎話挿入歌が流れるんですけどこの歌が非常に良い曲となっていてレヴュー中のキャラクターの心情を細かく描いており、普段から好きな曲の歌詞の内容を考えることが好きな人にはうってつけの作品となっています。心情を丁寧に歌詞に書き起こすために挿入歌は非常に特殊な作り方をしているのですが、今回の内容からは脱線してしまうので割愛させていただきます。よければ調べてみてください。また、僕も挿入歌の歌詞考察にチャレンジしたことがありますのでお暇な方は一度読んでくれるととても嬉しいです

childdeer.hatenadiary.com

 

話を戻します

この総集編で実は挿入歌の一部が「再生産」と称して、再編曲されアレンジが加えられていました。挿入歌の中には映画の尺に合わせるため長さを変更しただけのものもありましたが、多くの挿入歌はテンポが全く異なっていたり、歌割りが変わっていたり、中には一曲丸ごと変更されているものもありました。これを初見の人が見た時、いったいどんな反応をするのでしょうか。僕には見当もつきません

「なるほど。TVアニメそのままだとつまらないから所々変更したわけね。」

そう考えればそれまでなんです。しかし、既存の曲を再編集するというのは本当に大変なようで、あえてそれをする理由とは何か考えてみたくなります。
個人的な解釈としては本作品の公式サイトにもある、

演じたはずの舞台
なのに 私の知らない舞台

という大場ななのセリフに表れていると思います
本作品はTVアニメの内容が大場ななの視点で描かれており、各レヴューパートシーンの終了後に、レヴューで用いられた舞台セットの上でキリンと話すななのシーンが新規カットとして追加されています。大場ななの視点から見る今回のレヴューは、何度も再演で見ていたレヴューとは異なり、神楽ひかりの参加と愛城華恋の活躍でいつもと違う内容になっていました。このいつもとは違う違和感を大場なな視点で描かれた映画だからこそ、見ている僕ら視聴者にも味わわせるためにあえて再編集を行なったのではないかと思いました
TVアニメで見てきたはずのレヴュー。なのに、私の知らないレヴュー。という訳です

しかしそうなると、レヴューデュエットのシーンの説明がつきません
先ほど少し説明しましたが、曲が丸ごと変更になった部分がありました。それがこのレヴューデュエットの曲です。TVアニメでは「-Star Divine- フィナーレ」が使われていましたが、本作品では「Star Diamond(movie ver.)」が使われています。TVアニメ版と同様に、Star Diamondも4人での歌唱になっています。なぜ曲を変更する必要があったのか考えてみるとやはり先ほどと同じ結論になるかと思います。この場面におけるTVアニメ版の演出として、もともとアニメではなく舞台版の曲としてリリースしていたStar Divineという曲をアニメに逆輸入して持ってきたというのがあります。もともとStar Divineという楽曲が舞台#1においてかなりアツい曲でありこれをラストのバトルシーンで使うのは中々粋な演出だったと思います
この演出への感情を再生産するために、Star Divineと作詞作曲が同じであり正統な続編曲であるStar Diamondに白羽の矢が立ったのではないかと思います。もう一つStar Paradeという曲もあるんですが、あれは3rdライブの時の三森すずこさんの目線の歌詞とかも入ってるので使われなかったんですかね
(舞台少女心得 幕間が変わるのかと内心ドキドキしてました)
Star Diamondの公式YoutubeチャンネルのMVではTVアニメを編集しているものが用いられていたり、Star Diamondのサビ前の伴奏はStar Divineと同じだったりと繋がりがかなりあるので納得しています。また、曲が変わったことに伴ってレヴュー中のキャラクターの口の動きが書き直されているのをみると、細かな仕事ぶりに感動します

僕が一番衝撃を受けたレヴュー曲についての話は終わりにしたいと思います
約束タワーブリッジのようにそれぞれのレヴュー曲の舞台装置の名称がテロップでさらっと初公開されたりして見所満載のレヴューになっていますので是非確かめて見てください。(魔♡球♡盤withスズダル、鳥バード2018 などなど)

 

最後に本作品のラストに描かれた新作劇場版に繋がる伏線に少し触れて終わりにしたいと思います。ラストでの大場ななとキリンの会話では「舞台少女の死」というワードが重要視されており、血(?)を流しながら塔に倒れこむキャラクターや舞台セットに大量の血が溜まっているシーンが流れ、衝撃を受けました。続いてキリンが「ワイルドスクリーンバロック」という発言をします。最近発売されたCDやコミックにもw(i)ld-screen baroqueと表記されており重要なワードであることが伺えます。映画公開直後からちょくちょく調べていますが概念的なこのワードを自分の中に落とし込むのはかなり難しく、まったくつかめていない状況です
ワイルドスクリーンバロックワイドスクリーンバロック)という言葉の名付け親のオールディスは「パラドックス・メン」という小説を例に挙げている。SFを褒めるときに使ったりもするようで時間旅行の概念が存在するスタァライトという作品、もしくは新作劇場版の内容を指してキリンが発言したかと思われ、非常に今から新作が楽しみです

新作劇場版は「私たちはもう 舞台の上」という文章が公式サイトに書いてあります。ここでいう舞台の上とは戯曲スタァライトのことだと思います
TVアニメの最終回、運命の舞台でスタァライトを一人で演じていたひかりの元に華恋が飛び入りで参加し、レヴューを始めました。華恋はレヴューで負け、塔から落ち、スタァライトの史実通り二人の夢は叶わない…という終わり方になりかけますが、華恋が自らスタァライトの続きを創造し、演じることで二人の夢が叶う結末を作り上げることでTVアニメはハッピーエンドとなりました

しかし、夢が叶った二人は塔から戻りその後どうなったのか?という思いが募ってきた。終わりなき舞台の結末とは?というのが新作劇場版の主なストーリーだと思います。これにおける舞台少女の死とは演じ終わること、話を終わらせることにあるのでしょうか。それともクソゲースタリラで描かれていたように演者として観客に忘れられることが舞台少女の死なんでしょうか?
ここで結論を考えても新作の内容は変わりませんし、楽しみに待っていたいと思います

 

いろいろと書き進めていると、結構長くなってしまいましたがここまで読んでくださった方本当にありがとうございました。スタァライトという作品は、バンドリに次ぐマルチメディアミックスプロジェクトですのでアニメだけではなく舞台やコミック、そしてアプリの方も是非楽しんでいただけたらと思います。他媒体はなかなか手がつけられないけど気になるという方はお話しできる機会があればそのときにでも説明させてもらえたらと思います

総集編の公開が8月7日でそこから、スピンオフ舞台やベストアルバムの発売など様々なことがありました。スピンオフ舞台は、舞台#2に登場した青嵐総合芸術院にスポットを当てた作品となっており、青嵐の3人のキャラクターはカップリングを語る上では無視できない存在ですので是非とも見ていただきたいと思います

スタァライトはアニメだけでよくわからないという人はベストアルバムを買っていただけるといいかなと思います。僕個人、スタァライトは曲がめちゃくちゃいいと思っていますが、このアルバムは今までのシングルに加えてBlu-ray特典曲まで入っているのでスタァライトの曲を一気に履修できちゃいます。さらになんと、初回限定版にはプレミアがつき、一時は1万円を超えた1stライブの映像がなぜか特典でついてきます。お値段なんと6600円!安いですね。是非是非買ってみてください

このブログで少しでもいいので僕の話し相手が増えることを期待しています

 

最後は素敵な歌詞で締めたいと思います

あの頃には戻れない 何も知らなかった日々
胸を刺す衝撃を 浴びてしまったから